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ねことパンの日々

ねことパンの日々

うたた寝

うたた寝


うたたね1
午後の本部屋。
紙とほこりのにおい。
コーヒーはとっくに冷めている。
足下では猫がのびをしている。

あたたかな日差しが、足下に差してくる。
自然と、まぶたが重くなる。
視界が狭くなる。

--ああ、そうだ。
あのとき行った図書館の
においは、こんなだったか。
ここも、そんなふうになってきたのかな。
記憶がふきだまる、迷宮のような
不思議な世界に。
--

猫が足を齧った。
ふと我に返った。

うたたね2
私の迷宮は、まだちっぽけなものなんだ。
でも、ささやかな夢の世界なら
その奥に広がる世界に
足を踏み入れることができるようだ。
せめて、うたた寝のなかで
巨大な迷宮を旅してみようか。




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